ブラスバンド(Brass Band)

簡単に言うと吹奏楽団のことであるが、ニグロやクリオールによるブラスバンドは、黒人的なリズムで演奏されるため、一般的にイメージされる吹奏楽団とはまったく違うものである。1880年頃からアメリカ南部に出現したと言われる。ブラスバンド発生の背景には、南北戦争で負けた南軍の軍楽隊の楽器が安い値段で売られたため、貧しい黒人でも楽器を手に入れる事ができるようになった、という事情があった。

一般的な楽器の編成としては、コルネットやトランペット、トロンボーン、クラリネットやサックスといったメロディ担当の楽器にベースラインを担当するチューバ、スネアドラムにベースドラム、といったところであろうか。

ジャズのもっとも初期的な形態であると考えられており、マーチだけではなく、ラグタイムやスピリチュアル、ブルース、民謡など非常にさまざまなものが演奏される。マルディグラをはじめとするさまざまな街の行事に参加し、黒人の葬列に加わって演奏をしたり、選挙やピクニックなどにもくり出される。この移動可能な編成により町中を行進しながら演奏するといった事が可能となる。

Danny BarkerやBunk Johnsonといったニューオリンズのミュージシャンの証言によると、20世紀初頭のニューオリンズでもっともスリリングだった音楽は、ジャズバンドではなくブラスバンドであったそうだ。多くのジャズ草創期のミュージシャンがブラスバンドでの演奏を経験しているため、ブラスバンドなしには「初期のジャズ」は語れない。

1880年代にIsidore Barbarinによって作られたニグロが中心のOnward Brass Band。1910年頃にPapa Celestinによって結成されMutt CareyやAlphonse Picouを擁していたTuxedo Brass Band。1920年ごろ結成され、Willie、Earl、PercyのHumphrey兄弟やGeorge LewisJim RobinsonなどがいたEureka Brass Band。歴史のあるブラスバンドといえば、このあたりがあげられる。

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