リバーボート(Riverboat)

アメリカ中央部からメキシコ湾にそそぐ大河ミシシッピーは、19世紀以降のアメリカ東部において重要な交通手段の一つであった。この河を上下する蒸気船の中には豪華な船もあり、旅行者に愛用されたという。特に20世紀初頭にはジャズ・バンドやショー・グループをかかえる船も出現し、客を楽しませた。

20世紀初頭のリバーボートのジャズバンドの中でも特に有名なのが、Louis Armstrongが若き日を過ごしたというFete Marableのバンドで、Fete Marable自身はニューオリンズ出身ではなかったものの、腕利きのニューオリンズの演奏家たちを擁していたこのバンドは、旅客たちの人気を集めた。

彼等の音楽がどのようなものであったかについては、録音から聴く限りでは、ニューオリンズの音楽家が中心であった事もあり、20年代のニューオリンズ録音とさほど差があるようには思えない。だが、Fete Marableがピアノだけでなくサーカスなどで使われる汽笛オルガンも用いたと伝えられるように、おそらくショー的な要素も強かったに違いない。

ともかく、腕利きのニューオリンズのジャズメンを乗せた蒸気船が、ミシシッピー河を上下する事によって、メンフィスからセントルイス、カンザス・シティ、ダヴェンポートというように、各地にジャズが広まっていったことは確かだろう。

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